今思えば・・・まだママのお腹に居る頃、タクさんは良く動いていた。夫婦は元気だね と笑って話していたが、今思えば苦しくてもがいていたのだろうか・・・ そして、兄くんはタクさんに場所を譲る様にスペースを多めにタクさんに与えていた。 兄くんの優しさ、いたわりなのだろうか・・・ そして、よく考えてみれば、タクさんはママのお腹の中で力尽きる事は無かった。 もし力尽きていれば、兄くんも危険だったに違いない。 タクさんは、兄くんも巻き込むまいとして、生まれるまでもがきながらも頑張ってくれたのだろうか・・・ 生まれてから、ミルクの飲みが悪かったり、チアノーゼ頻発したりと体調の優れなかったタクさん。 そこで力尽きてもおかしくないのに、兄くんの退院が近づいたその日に救急車。 出産直後で奥さまも体調が万全ではない。 そんな状態の夫婦と兄くんのために、暫く頑張ってくれていたのだろうか・・・ 病院に搬送されて、パパ&ママの願いは唯一つ。 無事にオペを乗り切って、元気になって欲しい。 この願いを聞き届けてくれたタクさん。 でも、これはイレギュラーな成功だったのだろうか・・・ 本当は、この時点でサヨウナラしていたのに、パパ&ママを気遣って元気になってという願いを叶えてくれたのだろうか・・・ 神様仏様は、本当はすぐにタクさんを連れて帰る予定だったが、元気になるまでの経験と時間を思い出作りのために、特別にくれたのだろうか・・・ タクさんは、退院の前夜急逝した。 もし、退院の日の夜、急変していたらパパ&ママはどうなっていたのだろうか。助けられなかったという後悔ばかり残るかもしれない。 60日間と言う天寿を一日減らしてでも、パパ&ママへの心の負担を減らそうとして、病院にいる内にサヨナラしたのだろうか・・・ この日、旦那は残業で、帰るのが遅かった。 家に帰り、しばらくしてから病院から連絡があった。 この日の昼間の授乳も夜の授乳も通常通り。 タクさんは、旦那の帰宅を待ってくれて居たのだろうか・・・ 日曜日に退院前の最後の面会に行った旦那。 何気に手にした鍵のNo.は、実は4番。 ま、これはきっと偶然かな... ちなみに、無くなった時間は、22時39分。 ニイニ、サンキュー! 考えすぎと言えば、それまでですが、兄くんに最後の挨拶をして、タクさんは奥さまの腕の中でサヨナラして行きました。 こちらこそ、サンキュー! なんでしょうね。 きっと。 |